むさしさかいの旅行記

炭酸飲料依存症

【裏話】めぐる九州 Part1

夜行フェリーは大抵、毎日両方向から出航することから、各ルートに2隻ずつが割り当てられています。日ごとに設備や料金が異なる状態はよろしくないため、名前こそ違えど、大きさや内装を揃え、同時にデビュー・置き換えを行うのが通例であり、「姉妹船」と呼ばれています。

さて、6月12日に「めぐる九州」の初回動画を公開しました。今年2月から更新している四国旅と、こちらの九州旅は、いわば「姉妹動画」のようなもので、どちらも人生初上陸、往路はフェリー利用・・・という共通点があります。体裁やテンポなど、できる限り揃えてお届けしていきたいと思っています。

 

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動画について

内容の特性を踏まえ、高速道路の表示(大橋JCTでぐるぐるしてた)・船内施設の情報表示を新たにデザインしました。

イージングを活用すると、テロップの登場の見栄えがよくなります。全人類導入しようね。

今回謎に拘ったのはBGMのタイトルで、内容に合わせて選ばせていただいてます。『東海道をゆく』とか『Sea lover』とか。(選曲に時間がかかりすぎているので、あえて名前から絞るという作戦でもある)

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冒頭は九州に関する蘊蓄を少々。本編、土木ネタが多かったですね・・・

3部構成であるため仕方ないものの、中身が鉄道とはあまり関係なくなってしまい、うちの視聴者層にどれくらい受けるか不安なところ。「旅せよ四国」と共通点はあれど、日程は1日短く、行動範囲も実は狭いのです。

 

旅行について

四国旅Part1でも言及したように、2020年夏の旅行は本来九州全島をめぐる計画でした。肥薩線久大本線が蒸発したことで、四国に変えた経緯がありますが、「みんなの九州きっぷ」という超格安フリーきっぷの存在や、Go To Travel の後押しもあり、12月上旬(学内試験終了後)に、上半分だけ行ってみようということで行程を練りました。

やはり行き方が課題で、海路で向かうのは決めていたものの、大阪までが悩ましい。18きっぷは期間外です。新幹線にポンと出してもいいのですが、浮かせたい。

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そこで昼行バスという選択肢が浮上しました。平日であれば、不快感のない3列シートでも、4800円で関西圏に移動できるんだそうです。運行会社はJRバスグループ。動画で説明しているように、夜行車両の有効活用を目的にスタートしたのが、予想以上に定着した結果、コロナ禍でも1日5往復を確保しています。

新宿駅の真上に築かれたバスターミナル「バスタ新宿」と、北欧生まれの新型2階建てバスも前々から気になってたのです。青色照明が照らす車内には、USB電源つきの座席が並んでいました。

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浜名湖など、東海道線とは一風変わった車窓・グルメを体験できます。

旅行の一部としてみた場合、18きっぷと違って乗り継ぎが無いのはメリットでもありデメリットでもあり。移動手段としてみたら、新幹線より大幅にスピードが劣り、渋滞のリスクもありますので、時間的余裕のある人が昼寝場所として乗っている印象でした。

東京~大阪の移動手段は一通り試しましたが、結局どれがいいのやら。

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大阪駅には定時で着きました。こちらも駅の真横に付けてくれるのが大変有難いです。

二階建て車両による昼特急は、先頭の座席を取ると、カーテンを降ろす必要がなく、ガラス1枚だけでダイナミックな展望が楽しめるのも特徴。次回乗車時は狙っていきます。

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さて、阪九フェリーに乗船します。初めて聞いた方だとマルーンの電車の系列?と思われるでしょうが、まったく別物です。しかし、日本には鉄道会社の系列がフェリーを持っている例が1つだけ存在(ヒント:赤い電車)。

関西~九州のフェリーは現在4社7航路があり、時間・快適性・料金などで夜行バスを圧倒しています。その代表ともいえる新門司航路は、名門大洋フェリーとのダブルトラックで、運賃もかなり安め。GoTo割引を受けなくても、8000円台で個室を利用できるのです。

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「デラックスシングル」は内外ともに鍵が掛けられ、洗面台も備えています。

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動画内で一通りご紹介していますが、客室は3層で、5階に乗下船口と売店・6階にレストランと前方の展望ルーム・7階に露天風呂付きの大浴場と外部デッキ。

車内販売、食堂車、寝台・・・昨今の鉄道ではまったく聞かれないワードですが、フェリーでは、到着まで閉ざされた空間となる関係から、かえって当然の設備となっています。スペースも広く取れますしね。

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費用を重視するなら、いわゆる雑魚寝部屋を寝るだけに使って、他はパブリックスペースでゆっくりするのも手。

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外部デッキは出港・夜間航海・日の出・橋梁通過と時間ごとに楽しめます。

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門司港。かわいいマスコット「ふねこ」と共に。

船旅のおよその目安ですが、時間は鈍行乗り継ぎと同等(北海道行きは更に短い)。料金はJR乗車券+ホテル代くらい。最も利便性が高いのは阪九フェリーのような夜出発~朝到着。自家用車での一般旅客の利用が非常に多いです。

20時間以上要するような航路は、主にトラックが載せられ、物流の一端として使われています。(旅客を載せないRO-RO船もある)

いずれもモーダルシフトの観点から見直されているので、まだまだ活躍しそうです。

7月1日からは横須賀~新門司に「東京九州フェリー」が就航します。

23時出発で20時着のため、首都圏からの旅行では、復路で役立ちそう。

カプセルホテルのような客室が12000円、個室が18000円。学生2割引。

関連URL

www.nishinihonjrbus.co.jp

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